ランクセスは９月９日、ハロゲンフリーで難燃性を備えるポリアミド６である「デュレタンＢＫＶ20ＦＮ01」を、壁付け電源ボックス向け充電ケーブルコネクタの製造用に提供していると発表した。屋内駐車場や個人宅の車庫など屋内で使用される壁付け電源ボックスは、高い安全性を確保する必要があるため、使用する素材の選択基準も厳しくなる。その高い要求を満たす素材の一つが、ハロゲンフリーで難燃性を備える「デュレタンＢＫＶ20ＦＮ01」となる。
同社のテクニカルキーアカウントマネージャであるベルンハルト・ヘルビッヒ博士は、「この素材を選択した主な理由は、ハロゲンフリーの難燃性パッケージをベースとした優れた耐トラッキング性と難燃性にある。また、高い表面品質を備えたコンポーネントを容易に加工、製造することもできる」と述べている。
ポリアミド６コンパウンドの難燃性レベルは、アメリカ保険業者安全試験所（ＵＬ）が策定する検査規格ＵＬ94燃焼性試験で実証されている。このポリアミドは、わずか０・75ｍｍの厚さの試験片でＶ―０クラスという最高位のテストに合格している。「デュレタンＢＫＶ20ＦＮ01」は、試験片の厚さが０・75ｍｍ以上で７７５°CのＧＷＩＴテスト（グローワイヤ着火温度試験、ＩＥＣ６０６９５―２―13）に合格している。ＧＷＦＩテスト（グローワイヤ燃焼指数試験、ＩＥＣ６０６９５―２―12）では、プラスチックとしては最高値の９６０°C（試験片の厚さ０・75ｍｍ）を達成した。
また、優れた耐トラッキング性もこの素材における強みの一つとなっている。例えば、ＣＴＩ値Ａ法による試験（比較トラッキング指数、ＩＥＣ６０１１２）では最高評価の６００を、同様に設計されたＵＬ７４６試験では最高クラスのパフォーマンスレベルカテゴリであるＰＬＣ０を達成している。「これにより、壁付け電源ボックス内の沿面電流に起因する短絡や不具合のリスクが軽減される。さらに、電気・電子アセンブリをよりコンパクトに設計できるため、装置全体の小型化や高い電力密度を可能にする」とヘルビッヒ博士は述べている。
充電ケーブルコネクタ
高い難燃性を備える
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