ユニチカが販売強化　ナイロン樹脂、ＰＥＴ樹脂

　ユニチカは９月13日、環境に貢献する１００％マテリアルリサイクルが可能なナイロン樹脂「ナノコン／ＮＡＮＯＣＯＮ」と、商品のエコマーク取得が可能（定められた認定基準を満たすことが要件）なポリエステル（ＰＥＴ）樹脂「プレコンシューマリサイクルＣｏＰＥＴ」の販売を強化すると発表した。

　環境意識の高まりを背景に、サステナブルな社会の実現に向けて環境配慮型素材へのニーズが高まっている。同社はこのような状況の中、「ナノコン／ＮＡＮＯＣＯＮ」は自動車関連等、「プレコンシューマリサイクルＣｏＰＥＴ」は化粧品・医薬ボトル用途等、その他の各分野を含め、マテリアルリサイクルで環境に貢献する樹脂としての提案をより一層推進し販売拡大を目指す。

　「ナノコン／ＮＡＮＯＣＯＮ」はナイロン６樹脂強化グレードであるが、１００％リサイクル可能なマテリアルリサイクル材料となっている。通常のガラス繊維とは異なり、ナノメートルサイズの超微細強化材を添加しているため、粉砕によるリサイクル工程において、強化材の折損による機械物性の低下を抑制することができる。また、従来よりもはるかに少ないフィラー添加量でも高い剛性を示す、軽さと強さを兼ね備えた新世代の複合材料となっている。主な用途は、自動車（エンジンカバー、タイミングベルトカバー、ヒューズ等）、雑貨関連（ゲーム機ボタン、包丁の柄、浄水器カバー、修正ペンの部品等）、建材関連（床のアジャスター、手すり等）などとなっている。

「プレコンシューマリサイクルＣｏＰＥＴ」は、樹脂製造工程で発生する移行品や規格外品を一定の物性範囲で区分したものに再生処理を施した材料で、バージン原料同等の品質であるため、ペットボトル由来のリサイクルＰＥＴ（ポストコンシューマ）と比較して、色調良好かつ厚肉透明な成形体を得ることが可能となる。また、エコマーク認定基準（プレコンシューマ材料の基準配合率を満たす等）に合致させることで、最終製品のエコマーク取得も可能となる。主な用途は化粧品ボトル、医薬ボトル、雑貨（歯ブラシハンドル等）となっている。

ナノコン実証実験

成形したボトル