ダウは9月16日、同社とミュラテクノロジー(ミュラ)が世界のプラスチック廃棄物問題の解決とサーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進の支援に向けた継続的な協力関係において、ミュラが同社のドイツ・ベーレンの拠点において新たな設備を設置すると14日に発表した。
これは、プラスチックのアドバンスドリサイクルを急速に拡大するための、これまでで最大の取り組みの一環として、米国と欧州における一連の計画の最新の発表であり、同社の事業所を拠点とする最初の施設となる。このプロジェクトは、2023年末までに最終的な投資判断がなされる予定となっている。
ミュラの新しいベーレン施設は2025年までに操業開始予定であり、フル稼働時には年間約12万tのアドバンスドリサイクル能力を提供することになる。この施設と、欧州と米国で建設予定の他の施設を合わせると、2030年までに60万tのアドバンスドリサイクル能力が追加される見込みであり、同社はポリエチレン生産のための循環型原料の世界最大の消費者と位置付けることになる。
ドイツ・ベーレンの施設は、同社の製造施設と併設される予定であり、プラスチック廃棄物の処理能力を大幅に拡大し、完全循環型原料の供給を大幅に増加させる見込みとなっている。ミュラの施設を同社の拠点に併設することで、引き取りの輸送を最小限に抑え、アドバンスドリサイクルプロセスから発生するガスをプラスチックに戻すことができるため、副産物を無駄にすることなく、二酸化炭素排出量を削減することが期待されている。
ミュラのプロセスでは、同じ材料を繰り返しリサイクルすることができる。つまり、使い捨てのプラスチックを排除し、埋め立てや焼却処分を防ぐことが可能になる。また、アドバンスドリサイクルプロセスにより、焼却処分と比べてリサイクルされるプラスチック1tあたり約1・5tの二酸化炭素が削減されるため、化石由来の原料への依存を軽減することが期待されている。