豊田合成は9月20日、車の内外装部品向けに開発した「CNF強化プラスチック」を用いて軽量化した製品運搬コンテナを作製し、同月から同社工場内での活用を開始したと発表した。同社は、自動車部品への採用を視野に、実地での活用実績を積んでいく。
同社では、自動車部品のライフサイクル(原材料調達、生産~リサイクル・廃棄)におけるCO2削減の一環として、強みである材料技術を用いた各種バイオ素材の活用を進めている。その中でも、CNFはプラスチックなどに配合して補強材として使用すると、製品の「軽量化」や「自動車部品へのリサイクル」を可能にし、脱炭素・循環型社会を目指す上で有効な素材となる。これまで、車の内外装に使われる汎用樹脂(ポリプロピレン)にCNFを配合した際の耐衝撃性の低下が実用化にあたっての課題だったが、同社は、材料の配合設計や混練技術により自動車部品に活用できる水準に高めた。
同社は今回、工程内で使用済のポリプロピレン製コンテナのリサイクル材にCNF強化プラスチックを配合し、6%軽量化したコンテナを作製した。従来のコンテナに比べ、ライフサイクル全体で6%のCO2削減を見込んでいる。