BASFは9月20日、テクノロジー企業のARCUS Greencycling Technologies(ARCUS)と、混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油生産と調達に関する枠組み契約を締結したと発表した。両社は、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の観点から、メカニカルリサイクルされないプラスチック廃棄物を還元し、CO2排出量を削減するために、バリューチェーンにおいてそれぞれのノウハウで貢献したいとしている。ARCUSは同社に熱分解油を供給し、今後数年間でその供給量を拡大していく。同社は、この熱分解油を自社の生産工場でCcycled製品の原料として使用する予定としている。
フランクフルトに建設されたARCUSの実証プラントは、ドイツで初めての商業規模の設備であり、メカニカルリサイクルされない混合プラスチック廃棄物から熱分解油を生産している。ARCUSのダニエル・オーデンタールCEOは、「生産された熱分解油の買取保証により、当社はより高い生産能力のプラントの建設が可能となり、BASFと共に物質の循環モデルに大きく貢献することができる」と述べている。この契約により、熱分解油の引取量は最大で年間10万tまで増加することが見込まれている。
同社のケミカルリサイクルビジネス&テクノロジー担当バイスプレジデントであるクリストフ・ガーン氏は、「ARCUSとのコラボレーションは、化学産業においてリサイクル原料を使用することで資源を節約し、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)への移行を推進するというBASFの取り組みを明確にする。こうした目標を達成するためには、機敏で革新的な企業とのパートナーシップが重要となる。ARCUSというCcycled製品の製造に必要な熱分解油を商業規模で供給してくれるパートナーを、ドイツで見つけることができたことを嬉しく思う。私たちはお客様のサステナビリティへの目標達成をサポートする」と述べている。