DICは9月21日、経済産業省および金融庁をオブザーバーとして設立された「人的資本経営コンソーシアム」に入会したと発表した。
同コンソーシアムは、一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏をはじめとする計7名が発起人となり、2022年8月25日に設立された。参加企業間で「人的資本経営」の実践に関する先進事例の共有や企業間協力に向けた議論、効果的な情報開示の検討を行うことを主な目的としている。
「人的資本経営」では、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげるとしている。昨今、経営課題と紐づいた人材戦略の実行とその開示の重要性が高まっている。
同社は、2022年2月に長期経営計画「DIC Vision 2030」を発表し、基本戦略を実現するための施策の1つに「人的資本経営の強化」を掲げている。具体的には、「人的資本価値を最大化する戦略的人材ポートフォリオを構築」するため、3つの重点施策「人材育成」「人材流動性(採用・維持・サクセッション)」「エンゲージメント向上・組織力強化)」と、それらを支える人事機能プラットフォームの整備を行っていく。
同社は、同コンソーシアムへの入会を通じて、人的資本経営の実践と開示を一層強化していく。
同社グループは、人材を経営戦略実行における重要な「資本」としてとらえ、今後も社員一人ひとりの人権や安全を保障し、多彩な人材が働きがいを感じることができる職場環境や自律的成長を促す制度、インフラ作りを行うことで企業価値の向上にもつなげていくとしている。