積水化学工業は9月22日、同社とH.B.Fuller Companyの合弁会社である積水フーラーが、耐火性能を有した高耐候シーリング材「セキスイ耐火シーラント」を10月1日に発売すると発表した。
壁の目地や壁と躯体の隙間に施工される一般的なシーリング材は、燃焼すると灰化し炎・熱・煙の通り道になることから、目地部は防耐火上の弱点といわれていた。そのため、防耐火構造の建物では、目地部に無機材料による耐火処理を施したり、目地裏側に間柱を配置するなど、居住空間内への火の侵入を防ぐための「追加施工」や「設計の制限」という課題があった。
今回の課題解決にあたっては、積水フーラーの持つシーリング・接着剤配合技術と、熱膨張耐火材「フィブロック」を有する同社の耐火技術を融合し、有機材料の利点である「弾性・接着性」、無機材料の利点である「耐火性」の相反する材料特性を最大限に発揮するよう、3年間にわたり開発、検証を行ってきた。今回、技術構築、量産化のめどが立ち、「セキスイ耐火シーラント」を上市することとなった。
「セキスイ耐火シーラント」は、有機材料と無機材料、それぞれの利点を最大限発揮する配合を見出したハイブリッド型のシーリング材となっている。通常時はゴム弾性体として長期間、止水性能や接着性を発揮し、火災時には燃焼・膨張し不燃性のセラミック層を形成することで、炎・熱・煙の侵入を防ぐ。
積水フーラーでは、引き続き社会課題の解決に向け、耐火関連技術を用いた商品開発による事業展開を進めていく。2025年度には、「セキスイ耐火シーラント」を含む耐火関連製品において売上高3億円を目指すとしている。