横浜ゴムは9月30日、海外向け油圧用高圧ホースの販売競争力を高めるため、主力の3シリーズを統合し、10月から「Versatran(バーサトラン)」ブランドとして発売すると発表した。
統合の対象となるのは国際規格ISO18752に準拠した「Exceed(エクシード)」、米国のSAE規格、欧州のEN規格に準拠した「バーサトラン」および「100R1/100R2」で、併せてホース印字や品番体系の刷新も行うことで、グローバル認知度やブランド力の強化に加え、ユーザー利便性の向上を図っていく。
また、同社は今回の統合に併せて、国際規格ISO18752に準拠したホースのリニューアルも行う。新商品は旧「エクシード」のホースに、以前より「バーサトラン」に搭載していた新開発カバーゴムを採用する。「エクシード」の特徴であるコンパクトな曲げ半径や柔軟性、耐久性はそのままに、新たに難燃性能を追加するとともに耐摩耗性能も向上させ、鉱山を始めとしたより過酷な使用環境に対応した商品へと進化させた。鉱山機械用の高圧ホースに必要とされる米国鉱山安全衛生局(MSHA)の難燃性能規格をクリアするとともに、耐摩耗性能を従来品に比べ約20倍向上している。また、鉱山などでのホース使用で発生する静電気による発火を防止するため、オーストラリア規格協会が発行しているAS規格に対応した導電性も付与している。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「YX2023」に取り組んでいる。MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長を牽引し、安定収益を確保できる構造を目指している。ホース配管事業では油圧ホース市場におけるプレゼンスの更なる拡大を掲げ、幅広いユーザーニーズを満たす商品開発を図っているほか、国内外の生産拠点で生産能力の増強を進めている。