三菱ケミカルグループは10月3日、米国ルイジアナ州ガイスマーにおいて、同社グループの独自技術である「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント新設プロジェクトを進めているが、現在の市場の変動性を踏まえ、6~18ヶ月間、最終投資決定を延期すると発表した。同プロジェクトの最終投資決定は、当初は2022年半ばを予定していた。
同プロジェクトは、現在フロントエンドエンジニアリング設計(FEED)段階を完了し、申請中である湿地および大気保護を含む各規制に関する関係省庁の許認可を2023年中に取得する見込みで、2023年度中に最終投資決定を行う予定となっている。
同プロジェクトは、新エチレン法(アルファ法)を用いた同社グループ3番目の工場として、米国のシェールガス由来のエチレンを原料とすることを企図している。MMAの生産において可能な限りのカーボンフットプリント削減を達成すべく設計しており、低炭素社会への移行の観点で、同社グループと顧客の双方にとって重要な契機となる。
また、今回同社は、主要原料である一酸化炭素、メタノール等の製造設備も統合して設置する計画で、生産能力は単一ユニットとして世界最大規模である年産35万tを予定している。
同社グループは、同プロジェクトの最終投資決定に向けて、引き続きガイスマーの全てのサプライヤーおよびパートナーと協力し、グローバルに展開する生産体制により顧客の要求に応えていくとしている。