ゴム・プラスチック用機械特集・関西ロール
12月期は増収増益見込む MKブレーキが好調
ゴム・化学機械の総合メーカー、関西ロール(高木康彦社長)の2011年12月期決算予想は、売上高は前年比15%の増収、経常利益は前年比約20%の増益を計上、リーマンショック前の80%まで回復した。
業績好調の理由について高木社長は、①ボルト一本までメイドインジャパン製にこだわりつつ、広角打法で多種多様な機械を手がけていること、②特殊仕様に対応できるオーダーメイド対応力、③海外メーカーができない技術力と開発力、④アフターサービスを含めた製品販売―などが効いている、とみている。さらに日本の機械メーカと共同開発も展開している。
とくにヒット製品となったロール機の安全装置「MKブレーキ」の販売については、今期は120台を突破し、リーマンショック前の水準に回復。今年の年末には700台に達する勢いであり、また今年は50台の受注残があり、これを受けて製造、取り付けに残業が続いている模様だ。同製品は大手タイヤ、シールメーカーなどへ水平展開。ロール混練装置の安全装置として、日・米・欧で特許も取得している。 今回、11月末に新しく設置したMKブレーキ付き8インチのデモロール機(9号機)が常設した。同製品は従来の8号機の装置に静電気除去装置を追加し、電子コントロール部分を基盤化することにより、よりセンサー感知能力をアップしたタッチパネルからPCのメモリーカードで取り組めるなどIT化をした。
同社は同製品をユーザーに使用してもらうことで販売促進をしてゆく。
来期業績予想について高木社長は「前期比10%増で、リーマンショック前の90%まで回復すると見込んでいる。ただし、ヨーロッパの金融不安、円高、直近ではタイの洪水など不安要素があるので楽観視はできない」と述べた。
また同社を取巻く最近の市況について、産業分野別の回復度は、おおまかに自動車が90%、プリンターなどOA分野が80%回復基調で、半導体は厳しい状況と見ているという。
海外展開では、同社が掲げる「最高の安全と最高の品質」をコンセプトに東南アジア、インド、アメリカなど日系の海外工場メインに展開している。
同社は今後はよりいっそうメイドインジャパン機種によるグローバル対応、拡販強化を図っていく。(2011年12月19日紙面掲載)