三菱ケミカルグループは10月4日、米国カリフォルニア州のAemetis社のバイオエタノール精製プラントにおいて、同社のゼオライト膜(ZEBREX)を搭載した脱水システムが採用され、8月より稼働を開始したことを発表した。なお、同プラントのバイオエタノール生産量はゼオライト膜を用いた脱水システムとしては世界最大となる。
バイオエタノールを燃料として用いるためには、脱水して99%以上の濃度にする必要があり、脱水工程におけるエネルギー消費の削減が強く求められている。ZEBREXはゼオライト膜が持つ均質な細孔により、水分子を選択的に分離して取り除くことができるうえに、従来のPSA(圧力変動吸着)法によるバッチ式の脱水システムとは異なり連続運転が可能となっている。
Aemetis社のバイオエタノール精製プラントでは、PSA法からZEBREX搭載の脱水システムへ切り換えることにより、20%超のエネルギー消費量削減を実現した。さらに、CO2 排出量の削減に加えオペレーションコストの低減やプラント全体の安定運転にも貢献している。
ZEBREXはエタノールだけでなく、さまざまな有機溶剤の脱水に利用できるとしている。同社はZEBREXの省エネ技術を通じて、資源・エネルギーの効率的生産と利用の推進に貢献していくとした。