GSIクレオス、開発に成功 植物由来の高強力ポリエチレン

2022年10月11日

ゴムタイムス社

 GSIクレオスは10月6日、サトウキビを原料とするポリエチレン素材「バープランツ」の開発に成功したと発表した。同社は、石油由来ポリエチレンからの代替を進め、排出するCO2を大幅に軽減させることで、近年問題視される繊維業界の環境問題を改善へと導くとしている。

 バープランツは、サトウキビを原料とする再生可能なバイオベースのポリエチレン素材で、従来の石油由来のポリエチレンをバープランツに代替することで、CO2排出量を70%削減することができる。すでにこの素材はエコマークを取得しており、環境負荷を軽減する製品づくりが可能となっている。

 商品化例として、ミドリ安全の「カットガードV」シリーズが挙げられる。ミドリ安全の「耐切創性手袋」は、バープランツを採用したことで、環境に配慮した新製品(カットガードV)として生まれ変わった。バープランツの採用により、従来品よりも強度と耐久性が高まり、廃棄量が減少することで、ライフサイクル全体で50%のCO2削減が可能となった。

 同商品の製造にあたっては、同社のグループ企業であるGSIマルロンテックスが精密な管理のもと撚糸加工や生産を行っており、ミドリ安全の商品開発力と同社の素材への探求心、そしてGSIマルロンテックスの技術力が三位一体となり、今回の商品化が実現した。

 同社は、今回の取り組みはゴールではなくスタートであると位置づけ、引き続き様々な角度から社会のニーズを捉えた商品開発とアプローチを行い、カーボンニュートラルの実現に繋がる可能性を模索していきたいとしている。すでに手袋に次ぐ他アイテムへの用途開発が進んでおり、ニット生地や布帛生地の試作など、次のステージへの挑戦が始まっている。

 ​今回の素材開発やミドリ安全との取り組みは、まさに同社が掲げるミッションを具現化したものであり、繊維事業において革新的なビジネスモデルとなった。今後は、産業資材や寝装関連、スポーツ・アウトドアなどの新たな分野でバープランツの用途拡大を図り、さらなる素材の可能性を見出していくとしている。

 

エコマークを取得

エコマークを取得

CO2削減を可能に

CO2削減を可能に

かかわりのあるSDGs

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