デンカは10月11日、環境・エネルギー分野のさらなる成長を目的として、大牟田工場(福岡県大牟田市)の窒化ケイ素(粉体)に新たな設備投資を決定したと発表した。2023年前半に稼働を予定している設備増強分からさらに約1・5倍増の追加増産投資となる。
同社の窒化ケイ素は、独自の高温焼成技術や窒化技術により、熱伝導性に優れ、高強度、高耐熱、かつ軽量化に優れていることから、要求性能が厳しい車載用途で高い評価を得ている。xEV市場拡大に伴い、インバーター向け放熱基板用途として需要が急増していることに加え、モーター用ベアリング用途での電食対策として従来素材からセラミックスへの転換が進んでいることから、同用途においてもさらに需要が増える見通しとなっており、安定的な供給体制の確保が急務となっている。同社は、窒化ケイ素のトップメーカーとして、同能力増強により供給体制をさらに強化する。
同社は、xEV・5Gを中心とした環境・エネルギー分野を事業戦略における重点分野の1つと位置付けており、窒化ケイ素をはじめとする機能性セラミックスへの戦略投資を積極的に行っている。
同社は、今後もSDGsを羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指していくとしている。