バイオポリマーの合成に成功 住友ゴム、改変トマト由来酵素で

2022年10月18日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は9月27日、「天然ゴム研究の情報発信に向けた意見交換会」を開催し、このほど同社が東北大学と金沢大学と共同で合成に成功した改変トマト由来酵素を活用したバイオポリマー開発の経緯について説明を行った。
 冒頭、上坂憲市材料企画部部長は「天然ゴムは当社の事業を継続する上で重要な資源になる。意見交換会を通じて、天然ゴムの持続可能な調達に向けた当社の研究の方向性並びに社会課題の解決に向けた取り組みを理解する機会にしてほしい」と挨拶した。
 天然ゴムはタイヤの摩耗性・強度向上に寄与する重要な材料となっており、植物から採れるバイオマス材料であることからカーボンニュートラルへの貢献も期待される。しかし、栽培地域が熱帯地域に限られていることや病害へのリスクなどといった課題を抱えている。
 これら課題解決に向けた取り組みとして、同社はゴムノキの中で天然ゴムが作られるメカニズムを解明する基礎研究を行っている。同研究では酵素・植物を用いることで天然ゴムの安定供給とタイヤの性能向上を実現することを目的に2012年から開始している。また、2016年には東北大学との共同研究では、試験管内において、ゴムノキ内に存在する天然ゴム合成酵素を用いて天然ゴムの合成に成功したことを発表している。
 同社はさらなる取り組みとして天然ゴムの品種改良につながる実験に着手してきた。実験では天然ゴム合成で重要な役割を果たす物質のひとつ「天然ゴム合成酵素」に着目し、天然ゴム合成酵素と同じ酵素グループに属するトマト由来酵素を用いたバイオポリマーの合成を試みた。ただ、トマト由来酵素

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