日本ゼオンは10月18日、高岡工場(富山県高岡市)に統合生産センター(IPC)が竣工したと発表した。
同日、現地にて執り行われた竣工式には、富山県および高岡市ならびに周辺自治会から来賓が出席したほか、施工関係者、また、同社田中公章代表取締役社長、宮城孝一高岡工場長ほか同社関係者を合わせ34名が参加した。
IPCは高岡工場における「ものづくり」の中核拠点として機能するだけでなく、屋上に設置した太陽光発電装置や省エネ対応設備の導入によりCO2排出量削減に寄与、また自然災害対策も強化した施設となっている。同社は、これまで各所に分散していたものづくり部門をIPCに集約することで生産における様々な情報を一元化し、より安定・安全な工場の実現を目指す。
今回竣工したIPC(愛称「剱」)は、鉄骨鉄筋コンクリート造、990㎡の4階建てで、1階はコントロール室、2階は事務室、3階は会議室とサーバー室、4階は非常用発電機室が配置されている。総工費は16億円で、堅牢性・信頼性を強化するため、震度7強以上に耐えられる強度および、液状化対策等の実施、さらに電源系統や情報系統の冗長化を図るとともに、近接する小矢部川、庄川の氾濫を想定した高岡市のハザードマップをもとに、地盤面よりフロアを1・5m高くする構造としている。
さらに、地球環境に優しい建屋として、屋上に太陽光発電装置を設置、また省エネ対応の空調・壁材等を導入することで通常建物よりも約40%のCO2排出量を削減する施設となっている。
同社では2005年2月に生産革新センターを発足し、ダイセル式生産革新手法を導入、製造現場で働く人の意思決定や介入操作に着目した革新活動を進めている。高岡工場では2008年12月より生産革新の取り組みを開始し、ものづくり部門を集約し、「自律的改善サイクルを回せる人づくり」を進めている。今回のIPC竣工は、高岡工場における生産革新活動の中核拠点としてさらなる人づくりを加速させる期待が持たれている。さらに今後の拡張にも柔軟に対応できる配置にしたほか、働く社員にとって魅力的な職場づくりにも貢献する。