BASFは10月20日、中国の広東省湛江市(タンコウ市)の新たなフェアブント(統合生産拠点)に、年産能力8万tの世界最大級のネオペンチルグリコール(NPG)工場を新設すると発表した。
2025年第4四半期に稼働予定の新NPG工場によって、同社は世界におけるNPG生産能力を年間25万5000tから33万5000tに増強し、世界有数のNPGメーカーとしての地位を強化する。
現在、同社は、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン、米国のテキサス州フリーポート、中国の江蘇省南京市と吉林省吉林市に、NPGの生産施設を保有している。
NPGは高い化学的安定性および熱安定性から、主に粉体塗料用樹脂の製造に使用される。粉体塗料は、特に建設産業や家電製品の塗料において成功を収めている。粉体塗料は揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少ないため、液体塗料に比べてVOC排出量を最大50%削減でき、VOC排出規制の遵守を可能にする。NPGはこのほか、潤滑油、可塑剤、医薬品の製造などに使用されている。