旭化成は100%子会社であるシンガポールの「Asahi Kasei Plastics Singapore Pte Ltd」 (以下「APS」)が生産するポリフェニレンエーテル(PPE)が、2022年9月19日に持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得したと発表した。これにより2023年1月以降、バイオマス認証原料を用いたPPEの生産を開始する予定。
PPEはポリスチレン樹脂やポリアミド樹脂と混錬した変性PPE樹脂「ザイロン」の原料として自動車部品や家電、工業製品に幅広く使用されている。変性PPE樹脂「ザイロン」は、優れた複数の特性を有していることから、特に環境エネルギー分野において更なる需要が見込まれており、優れた絶縁性・電気特性により、高い電圧がかかる太陽光発電システム部品に採用され、製品の小型化の実現や省資源化に貢献している。
太陽光発電システム部品以外では、急速に普及が進む電気自動車のバッテリー構成部材に使用されており、低比重・軽量かつ難燃性に優れることからバッテリーの軽量化を実現でき、電気自動車の航続距離延長および車両走行時のCO2排出量削減に貢献している。
近年、地球環境への意識やサステナビリティの重要性が高まる中、変性PPE樹脂「ザイロン」においてもさらなる環境貢献の実現のためにリサイクル原料やバイオマス原料の活用に向けた取り組みを行ってきた。このような状況の中、旭化成およびAPSは、変性PPE樹脂「ザイロン」のサプライチェーン全体でCO2削減を目指し、バイオマス認証原料を用いて生産したPPEの外部機関による認証取得に向けた活動を進め、2022年9月、APSはPPE工場としてアジアで初めてISCC PLUS認証を取得した。これによりAPSはバイオマス認証原料を用いて生産したPPEを、認証制度に基づいたマスバランス方式によって割り当て、販売することが可能となった。