三井化学は10月24日、同社と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が、生産技術系人材のデータサイエンティスト育成プログラムを構築し、本年度から同社の社内研修を本格的に開始したと発表した。
同研修を通じて同社は、2025年度末までに、化学プラントの複雑な現象に対するデータ解析やプラントの状態を予測するモデル構築などができる生産技術系データサイエンティストを、国内主要5工場すべてに配置する計画としている。
同社は、社内での継続的なDX人材育成を推進し、長期経営計画「VISION2030」の基本戦略の1つ「DXを通じた企業変革」を進めていく。また、日本IBMは引き続き、同社のデータ解析のサポートやデータ解析以外のデジタル技術の取得支援などにも取り組んでいくとしている。
同社と日本IBMは、2015年から、データ解析が可能な工場エンジニアの育成において協業している。その中で、日本IBMは、製造業におけるデータ分析の実績とデジタル人材育成のノウハウを活かし、同社の生産技術分野における業務に必要なスキルの整理、育成施策の検討、研修の実施を通じて、同社の社内研修を支援してきた。さらにその後も、同社が社内講師により継続的に人材育成するための仕組みづくり、および高度なデータ解析ができる人材の育成プログラムなどを構築している。
同プログラムの構成は、基礎・応用・データサイエンティスト育成の大きく3段階とし、知識やスキルの保有を評価するだけでなく、「できることベース」でさらにレベルを6段階で定義し、ビジネスの貢献度合いも合わせて評価する。
さらに、同プログラムの研修・認定は、アルゴリズム、統計・分析、データ倫理、プロジェクトマネジメントなどをOJTとOFF―JTを組み合わせて実施する。なお、レベル1のデータアナリスト基礎教育は生産技術系エンジニア全員(約250名)を受講対象とし、既に120名の教育を完了している。