東レリサーチセンター(TRC)は10月26日、今年10月より、ドイツ・ミュンヘン近郊の「Toray Automotive Center Europe(AMCEU)」内に設置されていた欧州ラボでの受託分析サービスを本格的に開始したと発表した。現地では、表面・形態観察、構造解析、熱分析を中心に、課題解決型の分析ビジネスを展開していく。
同社は1978年の設立以来、「高度な技術で社会に貢献する」という基本理念に基づき、先端材料・素材、半導体、ディスプレイ、電池、環境、医薬品・医療機器といった諸産業における研究・技術開発や生産技術における「新製品・新機能の創出」「原因解析」や「課題解決」の要請に対して、分析や物性解析による技術支援を行っている。
同社の年間取引は1万6000件(取引先1500社)にのぼり、日本の多くの先端企業の支援を行ってきた。近年は、高度な分析評価技術を強みに欧州の顧客の支援も行ってきたが、密なコミュニケーションが求められる課題解決型の分析に関し、現地でのサービスを期待する声が高まっていた。
同社欧州ラボは、これまで顧客の要望が多かった分析ニーズに応え、現地の分析装置・機能の強化・拡充を図るとともに、日本のTRCとも連携して高度な分析・解析力を駆使したソリューション機能を強化する計画としている。
同社は、現地にある欧州ラボの利点を最大限に活用し、拡大する欧州のEV市場、エネルギー不足解消のためのクリーンエネルギー分野、カーボンニュートラル関係の素材やデバイス開発を含めた先端分析需要に応え、事業拡大を進めていくとしている。