積水化学工業は10月28日、環境省が同日設立の脱炭素化支援機構に対し、設立時募集株式引受人として出資を行ったと発表した。
同社は、脱炭素化支援機構に出資することで、脱炭素社会の実現に寄与する先端技術が大きく発展、普及するよう、官民一体となって貢献を図る。また、同出資による脱炭素を検討する事業者との情報交換や交流を通じて、脱炭素分野の知見形成、事業機会獲得などを行っていく。
脱炭素化支援機構は、国の財政投融資からの出資と民間からの出資(設立時は計204億円)を原資としてファンド事業を行う。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素に資する多様な事業への投融資(リスクマネー供給)を行い、脱炭素に必要な資金の流れを太く、速くし、経済社会の発展や地方創生への貢献、知見の集積や人材育成など、新たな価値の創造に貢献していく。
脱炭素化支援機構は開発段階での資金提供を可能とし、事業会社の財務健全性の向上と信用力の向上を見込んでいる。また、リスクを脱炭素化支援機構が取ることで、金融機関の対象企業への融資負担の減少、取引安全性の向上により、金融機関が投資を行いやすくする。新技術創出への投資を拡大させ、脱炭素社会の実現に寄与することを目的としている。
同社グループは、長期ビジョン「Vision 2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、『未来につづく安心』を創造していく」ことを宣言し、脱炭素に資する新技術・新事業に取り組んでいる。
同社グループは、今後も持続可能な社会の実現と同社グループの成長の両立を目指して社会課題解決に貢献し、ステークホルダーに信頼される企業であり続けるための取り組みを進めていくとしている。