住友理工は11月8日、メキシコで自動車用防振ゴムなどを製造・販売するグループ会社、S―Riko de Querétaro(SRK―QRO)のオドネル工場の生産能力を増強すると発表した。工場を拡張し、SRK―QROにおける自動車用防振ゴムの生産能力を1・5倍に拡大する計画。投資額は約27億円で、量産開始は2023年12月を予定している。
同社は北米でのピックアップトラックの旺盛な需要を背景に、新たに受注した自動車用防振ゴムを生産するため、SRK―QROのオドネル工場を拡張する。2023年末に量産開始後、徐々に生産レベルを引き上げ、フル稼働は2024年度以降の予定としている。新工場ではIoT技術を活用することにより、生産性向上を図るとともに、新たなトレーサビリティシステムを導入し、不具合品を外部流出させない仕組みをさらに強化・構築していく。
同社グループは、2022年度を最終年度とする中期経営ビジョン「2022年 住友理工グループVision」で、「着実な成長と体質強化」を取り組むべきテーマに掲げ、これまで事業構造改革や拠点再編を進めてきた。今回の増強策は、これを背景とした戦略的投資の一環となる。SRK―QROを北米における自動車用防振ゴム生産のハブ拠点の一つと位置付け、高品質な製品を迅速かつ安定的に届けることができるよう、供給体制の整備と拡充をさらに進めていくとしている。