クリヤマホールディングスの2022年12月期第3四半期連結決算は、537億5000万円で前年同期比22・1%増、営業利益は33億3700万円で同5・5%減、経常利益は36億8000万円で同6・0%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は、26億7500万円で同17・1%減となった。減少要因は前年同期に特別利益として債務免除益(5億800万円)を計上したことによる。
アジア事業の産業資材事業は、売上高は134億8600万円で同0・3%増となり、営業利益は原材料費、物流費に加え、円安による海外調達品コストの増加等から18億3000万円で同13・4%減となった。中国の上海市をはじめとしたロックダウンが解除され、サプライチェーンが回復したことにより日本において建機・農機メーカーの生産活動が段階的に引き上げられたことから、尿素水識別センサー及び尿素SCR用モジュール・タンク等の販売が増加した。一方でウクライナ情勢や半導体不足による影響から欧州自動車メーカーの生産台数が減少したことにより、自動車向け尿素水識別センサーの供給は限定的となった。
スポーツ・建設資材事業では、売上高は80億1800万円で同18・3%増となった。しかしながら損益面では、工事材料費や人件費の相次ぐ上昇により、営業利益は4億1400万円で同1・0%増に留まった。民間設備投資が持ち直していることから、国内商業施設向け「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)の販売が増加したことに加え、鉄道施設の安全対策強化を目的とした設備投資も底堅く推移しており、「ECOセンタン」(ノンスリップタイル)の販売が好調に推移した。また、運動場、体育館等の文教施設における改修、新設物件の需要も堅調なことから、「モンドターフ」(ロングパイル人工芝)および体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加した。
北米事業は、現地通貨ベースでの売上高が増加したことに加え、円安の影響により、売上高は281億500万円で同37・9%増となる一方、営業利益は16億9400万円で同7・1%増に留まった。依然として物流費の上昇圧力が強く、インフレの加速が価格転嫁を上回ったことが影響した。
欧州・南米事業は、売上高は36億1300万円で前年同期比21・1%増、営業利益は2億9200万円で同32・9%増となった。
通期の連結業績予想は、売上高630億円で同5・8%増、営業利益43億円、経常利益47億円で同1・6%減、当期純利益32億円で同16・0%減を見込んでいる。