ユニチカの2023年3月期第2四半期連結決算は、売上高は591億500万円で前年同期比6・5%増、営業利益は15億1400万円で同55・4%減、経常利益は38億8700万円で同33・1%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は29億900万円で同31・4%増となった。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は260億2700万円で同3・5%増、営業利益は24億円で同37・1%減となった。原燃料価格の高騰などによるコストアップに対し、価格改定に取り組んだものの収益面では苦戦を強いられた。
フィルム事業では、包装分野、工業分野ともに需要は底堅く推移した。包装分野では、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」、工業分野では、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売が伸長した。しかしながら、原燃料価格や輸送コストの高騰により、収益は悪化した。この結果、事業全体で増収減益となった。
樹脂事業では、中国でのロックダウンによる生産減退により各用途で販売が落ち込み、また、自動車減産の影響による自動車部品用途の販売減少もあった一方で、価格改定やレジャー用途の販売好調により売上は増加した。収益面では、原燃料価格高騰の影響を大きく受けた。この結果、事業全体で増収減益となった。
機能資材事業の売上高は177億6200万円で同5・4%増、営業利益は1億3400万円で同560・9%増となった。原燃料価格や輸送コストの高騰の影響を受けたが、建築資材用途を中心に販売が回復した。
活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途の販売は堅調だったが、自動車用途の販売が減少した。
ガラス繊維事業では、産業資材分野は、テント、シート等の建築土木用途の販売が堅調だった。電子材料分野のICクロスは、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品を中心に販売を伸ばした。
ガラスビーズ事業では、ブラスト用などの工業用途の販売は堅調だったが、道路用途の販売は豪雨などの自然災害の影響を受け、反射材用途の販売は欧州の市況悪化の影響を受けた。また、原燃料価格高騰の影響を大きく受け、収益が圧迫された。
不織布事業では、産業資材用途は需要が緩やかに回復し、販売が増加した。また、スキンケア用途は、人流の回復や猛暑などの気候要因により、販売状況が好転した。
産業繊維事業では、各用途で需要が減退し、販売が減少した。また、原燃料価格の高騰により収益が大幅に悪化した。
23年3月期の連結業績予想は、直近に公表されている予想を修正し、売上高は1260億円で前期比9・8%増、営業利益が39億円で同35・1%減、経常利益が50億円で同21・9%減、純利益は26億円で16・9%増を見込んでいる。