機能製品好調で増収増益 クレハの4~9月期

2022年11月10日

ゴムタイムス社

 クレハの2023年3月期第2四半期連結決算は、売上収益は1017億5500万円で前年同期比28・7%増、営業利益は167億3700万円で同47・3%増、税引前四半期利益は173億7700万円で同51・8%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は121億9000万円で同46・4%増となった。
 第1四半期初めには、同感染症の再流行に伴う中国でのロックダウンにより、機能製品事業の炭素製品分野の現地工場が一時稼働を停止したが、影響は軽微だった。また、原燃料価格の高騰による業績への悪影響はあるものの、顧客の理解を得ながら、製品価格への転嫁等の対策を進めている。同社グループの当第2四半期連結累計期間は、機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂を中心に売上げが伸張し、前年同期比で増収増益となった。

 セグメントのうち、機能製品事業では、売上収益は472億9600万円で同64・3%増、営業利益は90億3400万円で同247・4%増のとなった。
 機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂、シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品、その他の樹脂加工品等の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
 炭素製品分野では、高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。

 樹脂製品事業では、売上収益は237億8200万円で同3・7%増、営業利益は42億7000万円で同16・9%減となった。
 コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げは増加したものの、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことおよび原燃料価格高騰の影響により、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。
 業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムおよび塩化ビニリデン・フィルムの売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。

 2023年3月期の連結業績予想は、直近に公表されている予想を修正し、売上収益は1900億円で前期比12・9%減、営業利益は270億円で同34・0%増、税引前利益は280億円で同37・3%増、当期利益は200億円で同41・2%増を見込んでいる。

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