クラレの2022年12月期第3四半期連結決算は、売上高は5531億5000万円、営業利益は708億4600万円、経常利益は700億7800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は471億7400万円となった。
セグメント別では、ビニルアセテートの売上高は2856億4100万円(前年同期は2248億6100万円)、営業利益は589億8700万円(同437億7500万円)となった。
ポバール樹脂は、米国子会社の一部生産設備の不具合による停止や物流混乱により販売量が減少した。一方、原燃料高騰を受け、価格改定を進めた。光学用ポバールフィルムは、当第3四半期に入り液晶パネルの在庫調整の影響を受け、出荷が大幅に減少した。なお、テレビ用パネルサイズ大型化のニーズに対応するため、倉敷事業所での設備投資(2024年央稼働予定、2022年5月9日公表)を決定した。高機能中間膜は、PVBフィルムで建築向けが堅調に推移。水溶性ポバールフィルムは、洗濯用個包装洗剤向けの販売が堅調だった。
EVOH樹脂<エバール>は、好調な食品用途が自動車用途の減少を補い販売量が増加したことに加え、価格改定を進めた。
イソプレンセグメントの売上高は487億1700万円(同454億8000万円)、営業利益は41億4500万円(同50億4200万円)となった。イソプレンケミカル、エラストマーは、原燃料高騰を受け価格改定を進めた。一方で、一時的な原料調達難や中国ロックダウンの影響を受け販売量が減少。 耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>は、自動車生産減や電気・電子デバイスの在庫調整などの影響を受け販売量が減少した。
通期の連結業績予想は、売上高が7600億円、営業利益が780億円、経常利益が750億円、親会社株主に帰属する純利益が480億円を見込んでいる。