航空・宇宙、工業用品好調で増収に 櫻護謨の4~9月期

2022年11月10日

ゴムタイムス社

 櫻護謨の23年3月第2四半期連結決算は、売上高が27億1200万円で前年同期比1・5%増、営業損失は2億6600万円(前年同期は3億3600万円の損失)、経常損失は2億8900万円(前年同期は3億4200万円の損失)、四半期純損失は2億3400万円(前年同期は2億2100万円の損失)となった。

 売上高は、消防・防災事業で減少したものの、航空・宇宙、工業用品事業の増加が寄与し、前年同期と比べ増加した。利益面は、原材料価格並びにエネルギーコスト上昇の影響は大きいものの、生産体制の見直しの進捗と、航空・宇宙、工業用品事業の受注回復傾向を受け、工場稼働率が向上したことから前年同期に比べ売上原価率が改善し、売上総利益は増加した。
セグメント別では、消防・防災事業は売上高10億3900万円(前年同期比6・6%減)、セグメント損失(営業損失)は2億3200万円(前年同期は1億8000万円のセグメント損失)となった。
 消防ホースは原材料価格の高騰が考慮され販売単価は上昇しているが、コロナ禍の反動から点検交換需要増となった前年同期と比べ、消火栓ホースを中心に販売数量が減少。資機材の販売は概ね前年同期水準で推移したが、コロナ禍の世界的な半導体不足から消防車両の供給遅れも顕在化しつつあり、消防車両向け資機材は販売が減少。利益面は、例年、売上高が下期に集中することから固定費を吸収できず、損失となった。

 航空・宇宙、工業用品事業は、売上高は14億2600万円(前年同期比8・7%増)、セグメント利益(営業利益)は5200万円(前年同期は7900万円のセグメント損失)となった。
 航空・宇宙部門は受注回復傾向にあるが、顧客納期との関係から前年同期と比べた当第2四半期までの販売は、エンジン部品及び配管類などの金属製品が減少、シール材などのゴム製品は増加した。
 工業用品部門では、第1四半期に続き、一部材料の入手困難な状況は継続しているものの当面必要な量は手当できたこと、原油貯蔵施設等の点検改修が活発になっていることからタンクシールの販売は大幅に増加。子会社における金属加工品も前期から継続して高水準な販売を維持した。

 通期の連結業績予想に変更はなく、売上高が95億円で前期比7・1%増、営業利益は1億7000万円、経常利益は1億5000万円、純利益は9000万円を見込んでいる。

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