出光興産は11月16日、2023~2025年度を対象とした中期経営計画について、同日取締役会において決議したと発表した。
同社は、2021年5月公表の見直し中期経営計画において、2030年ビジョン「責任ある変革者」を定めた。同中計策定にあたって2050年のカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けては、さらにその先のエネルギーの未来と当社のありたい姿について「長い時間軸」で捉える必要があると判断し、同社は今回、新たに2050年ビジョンを策定した。2030年に向けて「責任ある変革者」として進める打ち手を、2040年、2050年と着実に具現化し、「社会実装」していくことを「変革をカタチにする」と表現した。
同社は、2050年は世界的なカーボンニュートラルの潮流が加速していく中、エネルギーシステムや社会構造が大きく変化している可能性が高いとしている。その過程においては、非連続的な技術革新など多くの課題が発生するとともに、新たな技術を社会に受け入れられる形にして届ける担い手が求められる。同社は、このような社会課題や環境変化に対し、エネルギーの安定供給で培ってきた知見や地域社会との信頼関係をベースにしながら、社会実装を推進していくことで「人びとの暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていく。
同社は同中計において、新たに「一歩先のエネルギー(多様で地球環境に優しいカーボンニュートラルエネルギーの安定供給)」「多様な省資源・資源循環ソリューション(産業活動・一般消費者向けのカーボンニュートラルソリューション)」「スマートよろずや(地域の暮らしを支えるエネルギー&モビリティ拠点)」の3つの事業領域を定義し、それぞれの領域の社会実装を進めることで、事業ポートフォリオ転換を推進していく。
同社は2050年までに、自社操業に伴う排出量(Scope1+2)のカーボンニュートラルを目指す。そのための中間目標として、2030年時点のGHGの排出削減量の目標を2013年比約730万t、46%削減を実現することで、2050年のカーボンニュートラル実現への道筋を具体化していくとしている。