リケンテクノスは11月16日、硬質で⾼耐候性と難燃性を有するACS樹脂の錫フリー化を実現し、環境対応型グレードを新たにラインナップに加えたと発表した。
同グループは、産業・インフラ分野において、発電・送電設備に付随した製品の材料供給を担っている。ACS樹脂は、ABS樹脂に類したアクリル系、塩素系、スチレン系ポリマーを主成分とした成形性に優れる材料。また、⼀般的な硬質系難燃樹脂は耐候劣化が著しいが、ACS樹脂は難燃樹脂の中でも優れた耐候性を有しており、⽩系⾊調でも使⽤できるほか、電気特性も優れている。難燃かつ⾼耐候な硬質樹脂であることから、住宅や⼯業⽤メーター取り付け盤、スマートメーター筐体、⽕災報知機など多くの実績を積み上げてきている。
優れた特性を持つACS樹脂だが、⼀⽅で添加剤の⼀部に有機錫化合物を使⽤している。有機錫化合物を含んだプラスチック製品においては世界各国で様々な法規制の対象となっており、ACS樹脂は各社のグリーン調達基準に適合しなかった。そのような背景から、同社ではACS樹脂の優れた性能は保持したまま錫フリー化を実現し、環境対応型ACS樹脂を開発した。同社は今後、電材業界をはじめ、幅広い業界への展開を視野に⼊れたサンプルワークを進めていくとしている。