TBMは11月11日、「横須賀市ゼロカーボンシティ」を宣言した神奈川県横須賀市にて、回収した使用済みのLIMEXと廃プラスチックを自動選別・再生する、世界初のリサイクルプラント「横須賀工場」が竣工したことを発表した。
同社はこれまで石灰石を主原料とする環境配慮型の新素材「LIMEX(ライメックス)」およびLIMEX製品の開発・製造・販売に取り組んできた。LIMEX製品は、レジ袋や文房具、食品容器などのプラスチック代替製品や冊子やポスターなど印刷物の紙代替製品の用途として、8000以上の企業や自治体で採用されている。
同社はLIMEX製品の普及を進める一方で、廃プラスチックの自国処理が大きな社会課題として顕在化する中、クローズドループによるLIMEX製品のリサイクル、再生材料を50%以上含む素材「CirculeX」の販売・製品開発、従業員参加型の資源循環コーディネートサービス「MaaR for Business」の事業を通じて、LIMEXのみならず廃プラスチックまで含む資源循環の推進に取り組んでいる。
また、家庭から排出される「プラスチック資源」から、LIMEXと汎用プラスチックを選り分け、精度の高いリサイクルシステムを構築する仕組みづくりも進めてきた。
今回竣工した横須賀工場では、回収してきた使用済みのLIMEXやプラスチックを自動選別・洗浄し、新たなLIMEX製品やプラスチック製品の材料となる再生ペレットを製造する。近赤外線によってプラスチックや紙などの他素材からLIMEXのみを自動選別する素材検知・選別技術は、海外の大手選別機メーカーと連携して開発した独自のプログラムとなっている。この自動選別技術を活かして、同社は横須賀市と連携し、2023年中の市内全域での容器包装プラスチックと製品プラスチックの一括回収と、LIMEX製品の普及および拠点回収品目化に向けた取り組みを推進していく。
同社は、資源循環による脱炭素社会の実現に向けて、同工場の稼働を機に、先駆的な資源循環モデルの国内外での展開を目指していくとしている。