建築ガスケット工業会(二瓶修和会長)は11月25日、技術セミナーを東京・台東区民会館で開催し、会場参加者33名とオンライン参加者5名の計38名が参加した。
冒頭、二瓶会長が「本日のセミナーの演題のリサイクルと木造建築物は近年注目を集めている分野だ。知見を高めて参加者にとって参考にする機会にしてほしい」と挨拶した。
セミナーの前半では、武蔵野大学工学部環境システム学科磯部孝行氏が「樹脂窓のリサイクルについてー樹脂窓リサイクル検討委員会の活動を中心にー」をテーマに、樹脂窓のリサイクルシステムの実装化に向けて2019年に発足した樹脂窓リサイクル検討委員会の概要や活動内容について報告した。樹脂窓とは障子やフレーム部分に塩化ビニルの樹脂を用いた窓のこと。アルミ製の窓と比べても熱的性能が高いことから寒冷地である北海道では1970年代ごろから普及が進んでおり、今後本州においても住宅の省エネルギー化と低炭素化に貢献できる建材として注目を集めている。
樹脂窓の処理状況について、日本では廃棄物化した樹脂窓のほとんどがリサイクルされることなく最終処分場に埋め立てられている。ドイツなどのヨーロッパ諸国では樹脂窓のリサイクルシステムの構築が進んでいることから、国内においても樹脂窓のリサイクルシステムを実装することを目的に同委員会が発足した。同委員会はこれまでに国内の樹脂窓処理団体の実地調査とリサイクルに向けた実証実験を進めており、樹脂窓リサイクルシステム構築にあたって懸念されていた技術的な事項はほぼ解決できている状況だという。社会的な実装を進めていくためには回収量を向上する必要があり、来年度からは社会に活動を周知していくための活動に取り組んでいくとしている。
続いて東洋ハウジング 西峰秀一代表取締役社長が「地上15階建て純木造高層棟建設について」と題して、CLTパネルを用いた同社の木造高層棟建築「kinobiru」の概要について講演した。
セミナーの後半では、各委員会の活動報告や日本建築学会で発表された論文の紹介などが行われた。
全文:約887文字