ポリプラスチックスは11月30日、DURACON POM製射出成形品に発生するボイドをCAE解析で予測する技術を開発したと発表した。同技術によって、ボイドの発生リスクを金型起工前に予測することが出来るため、試作回数を削減し開発サイクルの短縮やエネルギー使用量の削減に貢献可能となる。
射出成形品の肉厚中心部近傍に空隙が形成される現象があり、それらはひけ巣やボイドと呼ばれている。従来は流動解析で出力される体積収縮率などのパラメータを用いてボイド発生予測を行っていたが、実際の現象を再現できない等、精度面で問題があった。
一方、試作品や上市品の不良原因解析などについてはX線CT等に代表される非破壊内部観察装置の普及によりボイド発見が容易となり、ボイドの制御に関する飛躍的な技術の向上が期待されている。
今回開発した新技術は、流動解析と構造解析を連成させる事で樹脂固化過程の収縮率や弾性率、圧力の分布を考慮し、成形品内部の発生ひずみからボイドの発生を予測する全く新しい手法となる。金型を起工する前に高精度にボイドの発生予測ができるため、開発サイクルの短縮、製造開発コストの削減やシミュレーションに要するエネルギー消費量の削減が期待できる。
同社は同技術を活用し、顧客の製品開発を設計段階からサポートしていく。また、ボイド発生予測技術を応用した、ヒケ発生予測技術などの新たなソリューション技術開発も進めていくとしている。