PET再生の新会社設立 帝人が日揮HD、伊藤忠と

2022年12月07日

ゴムタイムス社

 帝人は12月1日、同社、日揮ホールディングス(日揮HD)、伊藤忠商事が、ポリエステル製品をケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「RePEaT(リピート)」を設立することとして合弁契約を締結したと発表した。

 使用済みの繊維製品の利用は、熱利用する「サーマルリカバリー」や、別の製品原料とする「マテリアルリサイクル」といった方法が一般的だが、「ケミカルリサイクル」は、繊維製品を再び繊維原料へ化学分解することにより、繊維to繊維のリサイクルができる画期的な方法となる。

 同事業のケミカルリサイクル技術はDMT(Dimethyl Terephthalate)法と呼ばれ、ポリエステル(PET)をモノマーに分解・変換してから再重合し、再生PETを製造する技術となる。DMT法は、そのプロセスの中で、着色されたポリエステル繊維から染料や不純物を除去することができるため、石油由来のPETと変わらない品質の再生PETの製造が可能となっている。また、同社は同ケミカルリサイクル技術の商業運転実績を有している。

 DMT法の実績やノウハウを有する同社、総合エンジニアリング事業において豊富なプラント建設実績と知見を持つ日揮HD、繊維産業において国内外に幅広いネットワークを持つ伊藤忠商事の3社は、2021年4月に共同協議書を締結して以来、同技術をグローバルにライセンスする事業の可能性を模索してきた。

 今回、同ライセンス技術の需要が十分に見込まれたことから、3社合弁の事業会社としてRePEaTの設立を決定した。

 RePEaTは同社のDMT法をベースに、同社と日揮HDが共同で効率化・パッケージ化したリサイクル技術をライセンスする。これにより、ポリエステル製品のケミカルリサイクル事業へ参入する国内外の事業者をサポートしていく。

 また、RePEaTは、同技術のライセンス提供に加えて、リサイクル原料となる使用済みポリエステル繊維製品の回収を含めたエコシステム構築のコンサルティング事業を通じ、ポリエステル製品のリサイクルを推進することにより、持続可能な社会の実現に貢献していく。

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