東レ、資源循環型社会に貢献 N6CR繊維製品の販売開始

2022年12月07日

ゴムタイムス社

 東レは12月5日、再資源化事業者のリファインバースグループが回収漁網からつくる再生樹脂などを原料に、同社独自の解再重合技術を活用したナイロン6ケミカルリサイクル(N6CR)繊維製品の国内での販売を開始すると発表した。

 N6CR繊維製品(原糸、テキスタイルなど)の販売開始は2023年3月からを予定しており、同社は2023年度で約8億円、2025年度で約12億円の売上を目指す。

 同社は、2022年に名古屋事業場(愛知県)で、新たに漁網由来再生樹脂の原料投入設備や再生ラクタムの貯留槽などを導入した、石油由来バージン原料と識別する生産体制を整えた。同設備はナイロン6繊維製品の再資源化に活用でき、先進的な「繊維to繊維リサイクル」ビジネスを加速させ、資源循環型社会の実現に貢献する。

 近年、世界中でSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)に対する社会の関心が高まり、衣料用途における環境配慮型素材・製品の需要拡大に加え、産業用途においても石化原料からの転換や省資源化を求める要望が急速に高まっている。

 今回のN6CR設備導入により、衣料用ナイロン繊維ではこれまで技術的に困難であった新たな高機能・高付加価値タイプの商品ラインナップ強化が可能となり、同社では、環境配慮型素材・製品へのニーズが高まっているスポーツ・アウトドア向け薄地織物やインナー・レッグアパレル向けなどを中心に販売拡大する計画としている。

 また、産業用ナイロン繊維では、自動車部品やロープ、漁網、カーペットなどの一般産業資材向けに幅広く使用される繊維において、産業分野での環境負荷の低減と持続可能な循環型の資源利用の拡大・促進につながる取り組みとなる。

 同社は同素材を使用した製品販売の取り組みを進めることで、先進的な「繊維to繊維リサイクル」ビジネスを拡大し、今後も同社グループの企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の実現に向けて挑戦していくとしている。

 

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