魚が嫌うレジ袋を開発 三菱ケミの生分解性樹脂使用

2022年12月07日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは12月5日、同社、キラックスおよびシモジマが、植物由来の生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS」と、魚が苦味を感じる成分「安息香酸デナトニウム」を使用した海洋生分解性レジ袋を共同で開発したことを発表した。同社が製造するFORZEASをキラックスが製膜・製袋し、シモジマがレジ袋「ENERFISH(エネルフィッシュ)」の海洋生分解性グレードとして販売する。

 FORZEASは、同社の植物由来の生分解性樹脂「BioPBS」を使用したコンパウンドで、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解される。今回開発した海洋生分解性レジ袋は、海洋において1年間で約90%分解されることが確認されている。また、一般的な石油由来の原料を使用したレジ袋に比べ、焼却時の二酸化炭素排出量が約30%削減される。

 安息香酸デナトニウムは、人や魚が口にすると強い苦みを感じる有機化合物で、誤飲防止の目的で玩具に塗布されるなど、安全性の高い成分となっている。ENERFISH(エネルフィッシュ)のレジ袋は安息香酸デナトニウムを配合することで、海洋生物が誤って飲み込んでしまうリスクを低減している。

 今後、同社、キラックスおよびシモジマは小売店などでの採用を目指し、サンプルワークを進めていく。また、同レジ袋はシモジマの浅草橋本店(東京都台東区)、かっぱ橋店(東京都台東区)、心斎橋店(大阪府大阪市)、名古屋店(愛知県名古屋市)でも購入可能となっている。

 

海洋生分解性レジ袋

海洋生分解性レジ袋

 

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