昨年を振り返りますと、20年ぶりの「超円安」と、ウクライナへのロシア侵攻による政情不安も重なり、原燃料高の影響を大きく受けました。主力の水産分野において水揚げ不振や、台風の影響による需要の低迷があり、我々発泡スチロール業界においてはとても苦労の多い一年となりました。JEPSAとしましても、昨年もコロナ禍の中、オンライン会議などを活用することで活動に注力してまいりました。
その中で、世界的な循環経済への転換の動きにあわせ、日本において「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が昨年4月から施行されました。当協会はこの新法に対して、リサイクル設備助成制度を拡充することで更なるプラスチックの資源循環、海洋プラスチックごみの低減に貢献してまいります。
発泡スチロール協会は、発泡スチロールのリサイクルを目的として設立された「発泡スチロール再資源化協会」発足から32年を迎えました。設立当時、1991年のリサイクル率は12・6%でした。その後、回収拠点の整備、拡大を進めることで、2021年は過去最高の92・0%まで引き上げることができました。2020年からはリサイクル率を有効利用率に呼称変更し、使用済みEPSの有効利用率100%とすることを目標に掲げ、推進しております。
JEPSAは活動ビジョンを「発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。」としております。「持続可能な社会」の実現に向けて発泡スチロールの特性を生かした製品のご提案と普及、また、高いリサイクル率を更に高めることにより発泡スチロールの「資源としての有効利用率の向上」を目指しております。
発泡スチロール協会の目的は、発泡スチロールは少ない資源を有効に活用していること、省エネに貢献する商品であること、リサイクルに代表される有効利用率が非常に高いことから脱炭素社会と循環型社会に大きく貢献することを世界に広め、発泡スチロールの需要を拡大することにあります。
「発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。」というビジョンに基づき、最近は容器包装資材だけでなく、断熱性、耐久性、軽量性を活かした土木・建築資材、家電部材に加え、住宅設備部品、自動車部品、ワクチン輸送容器等の物流資材、クッション芯材等の生活資材など長期間の使用用途向けの商品の比率が高まっており、新しい用途も拡大してきています。これからも資源の有効活用を推進し、地球環境に貢献する需要創造に努め、皆様のニーズに応える新たな商品を提供してまいります。