日本ゼオンとアイデミーは12月16日、資本提携契約を締結したと発表した。
本提携を受けて両社は、日本ゼオンにおけるデータ活用人材の育成および、日本ゼオンが保有する材料開発や研究に関する実験データを活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)領域での本格的な協業を開始する。MIは、ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を図る取り組み。
両社は、日本ゼオンが保有する材料開発と研究に関する知見や実験データと、アイデミーの強みである教育研修から事業定義・試作品開発・実運用まで一気通貫で提供するDX推進ソリューションを掛け合わせ、日本ゼオンでの活用に留まらず素材から最終製品に至るサプライチェーン全体における効率的で持続可能な製造・開発の実現に取り組み、産業構造の改革を目指す。
日本ゼオンは、1950年の創業以来、合成ゴムをはじめとするエラストマー素材事業や、高機能樹脂や光学フィルム、電子材料やリチウムイオン二次電池材料といった高機能素材事業において、独創的な技術力をもとに素材の製造・開発を行う化学メーカーであり、2021年度よりスタートした中期経営計画においても、全社的なDXの推進やMIの活用に注力している。
アイデミーは、2014年の設立以降「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、デジタル人材の育成を軸とした「デジタル変革伴走型支援事業」を展開しており、DX/GX人材を育成し外的環境の変化に対応できる強い組織作りを支援するアイデミービジネス、組織開発・人材育成・課題選定・PoC・開発・運用を一貫してサポートする顧客伴走型支援サービス・モデロイを、法人を対象に提供している。
日本ゼオンは、2020年9月よりアイデミーからの提供を受けながら、データ活用人材の育成や実験データの構造化などの課題に取り組んできた。
今回の協業では、日本ゼオンが保有する材料開発や研究に関する実験データをもとに、データを構造化するためのデータベースやアプリケーション等の管理システムや蓄積したデータを利活用する。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測する MIの基礎モデルの開発を共同で進める体制の構築を目指すとしている。