TOYO TIREは12月16日、セルビア共和国に開設した欧州で初めてのタイヤ生産拠となるTOYO TIREセルビア工場(運営:Toyo Tire Serbia d.o.o.)において、開所式を挙行したと発表した。
セルビア工場棟内で行われた開所式には、セルビア共和国アレクサンダル・ヴチッチ大統領、インジヤ市ヴラディミール・ガク市長、駐セルビア特命全権大使・勝亦孝彦氏など総勢約140名が列席。
同社の清水隆史社長は、「新しい工場をこの地に竣工、稼働できたのは、政府ご関係者の当国経済発展に対する並々ならない情熱に尽きると確信している」「変化の速いマーケットに対してニーズの高い魅力ある商品をスピーディーに供給していき、欧州地域での地産地消を進めることはもちろん、主力のアメリカ市場に向けた戦略的供給拠点としての機能をフルに発揮し、存在価値の高い工場に成長させていきたい」と挨拶した。
これに対し、ヴチッチ大統領は「今日は日本の友人たちと一緒に5年間見てきた夢が実現した特別な日」「私は“made in Serbia”の最高のタイヤが、ここから世界へ、北米や西ヨーロッパ市場へ出荷されていくことを期待している」「同工場はTOYO TIREの欧州唯一のグリーンフィールド投資であり、品質や設備も世界最高水準。これらによって国家のGDP、市民の給与水準が高まることは、我々の幸せであり誇りである」と祝辞を述べた。
また、会場を移して開催したレセプション・パーティーには、セルビア共和国アナ・ブルナビッチ首相、駐セルビア特命全権大使・勝亦孝彦氏、米欧取引先関係者など総勢約90名が列席した。
同社の清水隆史社長は、「TOYO TIREセルビア工場は欧州だけではなく北米市場もターゲットとして、グローバルに事業経営を始めており、来年下期にはフル生産体制が整う予定」であることに触れ、「デジタルデータによる効率的な生産管理体制、気候変動に対する負荷を軽減するメガソーラー、製品の仕上がりをタイムリーに検証するテストコースなど、特長的な側面を随所に有する当社の新しいモデルファクトリーとして成長させていきたい」と抱負を語った。
これに対し、ブルナビッチ首相は、「TOYO TIREの新工場がインジヤに開所し、今週はセルビアにとって重要な1週間となった」「経済協力や新たな雇用面だけではなく、私たちは日本のビジネス倫理や哲学から多くを学ぶことができる」「TOYO TIREはイノベーションへの努力を行なうとともに、最高水準の技術を投下し、わが国のビジネス環境全体に利益をもたらす」「セルビアと日本が政治的、社会的、経済的な関係、そして相互尊重を継続していくことを願っている」と祝辞を述べた。
このあと、望みを叶える縁起物でもある日本の伝統工芸品「ダルマ」を紹介のうえ、同社ブランドカラーで着色された青色のダルマに対し、TOYO TIREがセルビアに根を下ろして地域、国、世界に喜ばれる存在となることを祈念して、「目入れ」のセレモニーが行われた。