住友理工は12月16日、ベトナムで自動車用ホースを製造・販売するグループ会社、SumiRiko Vietnam Co.,Ltd.(SRK-V)で開所式を開催したと発表した。
同社グループは、自動車用ゴムホースの十分な生産能力を確保するために、昨年1月にSRK-Vを設立。コロナ禍にありながら、計画を前倒して今年5月に量産を開始した。SRK-Vは、当社グループへの輸出・供給に特化した製造拠点で、順次生産能力を引き上げ、
2025年度のフル稼働を目指している。
12月中旬に現地で行われた開所式には、取引先やSRK-Vの従業員ら約100名が出席。同社の松井徹取締役会長が「コロナ禍のさまざまな困難を乗り越え、竣工から短期間で量産を開始することができたことに謝意を表したい。ここベトナムの地から、グローバルに、高品質な製品を数多く発信・供給していくことを期待する」とあいさつ。
SRK-Vの木股茂雄社長は「全世界で、電気自動車(BEV)をはじめとする電動車へのシフトが加速する中、バッテリーなどを冷却するゴムホースは将来も変わらず必要不可欠な製品だ。SRK-Vはクルマの未来を支え続けるとともに、地域社会に大きく貢献していく」と抱負を述べた。
来賓のビンフック省工業団地労働組合バン・ハイ・ニン委員長は「この1年間、新型コロナによる大きな影響を受ける中、5月に稼働を開始したSRK-Vが生産を維持し、従業員に安定した雇用を提供していることに深く感銘を受けている。今後も労使が良好な関係を維持し、それぞれの役割と責任を果たしていくこと、そしてSRK-Vがさらに発展していくことを祈念したい」と祝辞を述べた。
同社グループは、サプライチェーン(供給網)の多元化・分散化によるリスク回避などの観点から、より筋肉質な経営体質の構築を目指して、グローバルで拠点網の再編を進めている。その施策の一環として、今回SRK-Vが設立された。また、脱炭素社会の実現に向け、全世界で電動車、特にBEVの開発・供給が進む中、バッテリーなど電気系統の冷却に用いる水系ホースは、さらなる成長が見込める製品群と認識している。
同社グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア地域における自動車用ホースの製造・供給網の強化を通じて、「人・社会・地球の安全・快適・環境に貢献する企業」の実現を目指していくとしている。