新工場は、セルビアの首都ベオグラードから北西約50キロにあるインジヤ市に位置している。20年12月の起工式で鍬入れを行い、22年7月より生産を開始した。生産能力は年産500万本を有し、敷地面積は60万平方メートル、フル生産時には約580名の従業員がタイヤ製造に従事する。
製造タイヤは、乗用車用、SUV用、ライトトラック用タイヤで、サイズは13インチから22インチまでの生産が可能。
新工場の概要説明を行った井村TOYO TIREセルビア社長は、「現在、設備を継続して配置している状態だが、来年下期には年産500万本の生産体制となる」と進捗状況を説明した。
また、セルビアに工場を建設した理由については「関税、物流面でのメリットに加え、日本企業をはじめとする外資系企業の積極的誘致を実施していた。セルビアは国として経済改革や財政健全化を図っていくだけでなく、自動車産業、特にEVを意識した政策を国として掲げており、長期的に物つくりをする環境が整備されている」と説明した。
従業員の採用においては、「特に英語能力を備えた人材が確保しやすい事は非常にメリットが大きい」とし、「駐在して感じたが、日本に対して非常に友好的であり親日感情が強いということも我々に非常に有利に働く」と説明した。
インジヤ市に決定したのは、工場建設の地として広大かつフラットな土地で地盤が固く、物流環境にも恵まれていることなどを理由と挙げた。
■セルビア工場の概要
建設地:セルビア共和国 ヴォイヴォディナ自治州インジヤ市
敷地面積約60万㎡(約150エーカー)
生産開始:2022年7月
生産能力:年産500万本(乗用車用タイヤ換算)
従業員数:約580名
投資額:約488億円(390・5百万ユーロ)
生産品目:乗用車用、SUV用、ライトトラック用ラジアルタイヤ
■Toyo Tire Serbia d.o.o.の概要
所在地:セルビア共和国 ヴォイヴォディナ自治州 インジヤ市
事業内容:乗用車用、SUV用、ライトトラック用ラジアルタイヤの製造・販売
設立年月日:2019年10月
資本金:200億円(160百万ユーロ)
代表者:井村洋次