セルビア工場棟内で開催された開所式には、セルビア共和国のアレクサンダル・ヴチッチ大統領はじめ、インジヤ市のヴラディミール・ガク市長、駐セルビア特命全権大使の勝亦孝彦氏ほか、米欧取引先や関係者、工場建設関係者など総勢約140名が列席した。
あいさつに立った清水社長は、「新工場をこの地に竣工し、事業を稼働させることができたのは政府ご関係者の当国の経済発展に対する並々ならない情熱に尽きると私は確信している。ご期待とお力添えを頂いている事に感謝申しあげたい」と感謝を示し、「欧州地域での地産地消を進めることはもちろん、主力のアメリカ市場に向けた戦略的供給拠点としての機能をフルに発揮し、存在価値の高い工場に成長させていきたい」と挨拶した。また、挨拶の中でセルビアと共同研究開発する事を発表し、「大統領からは、当国の将来有望な人材の育成と確保に向けた支援のお話しを頂戴し、 早速、当社からもセルビア国内の大学や研究機関とコンタクトを取り、当社の技術部門と共同で研究開発を行なうプロジェクトが始動した」と説明した。
セルビア共和国のヴチッチ大統領は、「今日は日本の友人たちと一緒に5年間見てきた夢が実現した特別な日となった。私は“made in Serbia”の最高のタイヤが、ここから世界へ、北米や西ヨーロッパ市場へ出荷されていくことを期待している」と述べ、「同工場はTOYO TIREの欧州唯一のグリーンフィールド投資であり、品質や設備も世界最高水準。これらによって国家のGDP、市民の給与水準が高まることは、我々の幸せであり誇りである」と祝辞を述べた。
アレクサンダル・ヴチッチ大統領の祝辞の後、清水社長と勝亦孝彦駐セルビア特命全権大使によるダルマの目入れと鏡開きが行われた。
レセプション・パーティーも開催
また、同日夕刻に市内ホテルにて開催した「レセプション・パーティー」には、セルビア共和国アナ・ブルナビッチ首相、駐セルビア特命全権大使の勝亦孝彦氏、米欧取引先関係者など総勢約90名が列席した。
開所式には同国大統領が列席、レセプション・パーティーにも同国首相が参列するなど国を挙げて新工場の開所を歓迎した。
あいさつに立った清水社長は、「TOYO TIREセルビア工場は欧州だけではなく北米市場もターゲットとして、グローバルに事業経営を始めており、来年下期にはフル生産体制が整う予定」であることに触れ、「デジタルデータによる効率的な生産管理体制、気候変動に対する負荷を軽減するメガソーラー、製品の仕上がりをタイムリーに検証するテストコースなど特長的な側面を随所に有する当社の新しいモデルファクトリーとして成長させていきたい」と抱負を語った。
また、これに対し、ブルナビッチ首相からは「TOYO TIREの新工場がインジヤに開所し、今週はセルビアにとって重要な1週間となった。経済協力や新たな雇用面だけではなく、私たちは日本のビジネス倫理や哲学から多くを学ぶことができる」と述べ、「セルビアと日本が政治的、社会的、経済的な関係、そして相互尊重を継続していくことを願っている」とお祝いのメッセージを送った。
ブルナビッチ首相のメッセージの後には、日本の伝統工芸品「ダルマ」を望みを叶える縁起物でもあると参列者に紹介した上で、同社ブランドカラーで着色された青色のダルマに対し、TOYO TIREがセルビアに根を下ろして地域、国、世界に喜ばれる存在となることを祈念して、目入れのセレモニーを清水社長とブルナビッチ首相が行った。