出光興産は12月21日、国内でのアイマーブ(水添石油樹脂)の生産を停止し、生産拠点を台湾に集約することを決定したと発表した。
アイマーブは、同社が独自に開発した無色透明の水添石油樹脂で、ホットメルト接着剤の粘着付与剤やポリオレフィン用樹脂改質剤の原料として使用されている。同社は1993年に徳山事業所にてアイマーブ製造装置の稼働を開始し、2020年に台塑石化股份有限公司との合弁会社である台塑出光特用化学品股份有限公司(IFSC社)にて第2製造装置を稼働開始させ、国内外で事業を展開してきた。
しかしながら、中国での急激な生産能力の増強により需給バランスが大きく崩れ、同社は厳しい事業環境下においてさまざまな競争力強化に努めてきた。同社は検討の結果、国内での生産を停止し、台湾での生産に集約することで、さらなる事業基盤の強化を図るとの判断にいたった。今後は徳山事業所内の製造装置を2023年3月までに停止し、アイマーブの生産をIFSC社の第2製造装置に集約する。
今回の生産集約により、同社はアイマーブの競争力をさらに高めるとともに、一層の安定供給に努めていくとしている。