■ 新年インタビュー
グローバル化のシフト加速へ
ニッタ 石切山靖順社長
「22年も海外子会社の貢献が大きかった」と語るニッタの石切山靖順社長。海外拠点の現況を始め、中長期経営計画「SHIFT2030」の定性目標であるさらなるグローバル化への取り組みなどについて石切山社長に聞いた。
◆22年を振り返って。
22年度上半期の業績は、売上高は430億円で前年同期比4・2%増、営業利益は28億円で同7・8%減、持分法投資会社が適用される経常利益は67億円で同9・5%減となった。足元の第3四半期は徐々に厳しい数字となっているが、これも想定の範囲内。前半は予想した以上に善戦した印象が強い。ただ、原材料費や物流費などの高騰が利益を圧迫した。
◆海外拠点の現況と今後の見通しについて。
北米拠点は好調を維持しており、予算を上回って推移している。2社ある欧州はそれぞれ濃淡はあるが、それほど深刻ではなく、中身自体は良くなっている。
中国はベルト製品や一般産業用のホース・チューブ製品は良かったが、自動車関係のホース・チューブ製品がゼロコロナ政策の影響で大きく落ち込んだ。東南アジアは各拠点とも比較的良好だ。
23年の見通しは、北米は好調だったベルトは物流向けで落ち込むと見ているが、後半からは持ち直してくれることを期待している。中国はゼロコロナ政策が今後緩和される方向にあるようだが、いつ経済が回復するのか懸念している。
◆「SHIFT2030」の進捗について。
SHIFT2030では、「成長へのSHIFT」「企業価値向上へのSHIFT」「更なるグローバル化へのSHIFT」の定性目標を掲げ、各事業部がさまざまなアクションプランを策定し、施策を実行している。しかし、策定後の2年あまりで事業環境が大きく変化していることから、今後はアクションプランをタイムリーに見直すことも必要になっている。
「成長へのSHIFT」に含まれる新規事業の探索
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