■ 新年インタビュー
転機を掴み、成長へつなげる年に
TOYO TIRE 清水隆史社長
TOYOTIREは22年7月にセルビアで8年ぶりに新設したタイヤ工場が稼働を開始した。清水隆史社長は年末記者会見で22年の振り返りや、23年における同社のありたい姿を説明した。
◆22年を振り返って。
22年を振り返ると、コロナ禍は収束に至らず暗雲が払拭されない中で、我々は国を越えて、軍事侵攻が現実に行われるのを目の当たりにした。世界を揺るがす時代にグローバル経済は寸断され、産業のボトルネックである資源調達の地図が大きく変わり、ビジネスは今も大きな影響を受けている。当社もロシア地域での営業休止を始め、原材料高や海上運賃の高騰、アメリカでの雇用情勢や景況の変化など、想定を超えた影響を予期せぬ打撃を受け、事業環境が安定することのない中で経営を推し進めなければならない1年となった。
◆足元の業績は。
22年度第3四半期業績は、中計21の方針でもある、重点商品の販売強化に取り組み、主力の北米市場をはじめ日本市場などで実施した価格改定の効果や、為替の円安メリットなども得られたことから、22年度1~9月累計の売上高は過去最高となった。
一方、利益面は原材料価格や海上運賃の高騰で大幅なマイナス影響を受けた。さらに、米国工場で安定的な従業員の定着がままならず、設備トラブルの発生などで細やかな需要変化に対する販売ロスが生まれたことが影響し、最終的には前回8月の営業利益の着地予想を下方修正した。
◆セルビア工場について。
セルビア工場は22年8月から北米市場向けに製品の出荷を開始した。競争力の高い商品の生産供給基盤となる
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