■ 新年インタビュー
探索した新規事業を柱に企業価値向上の継続目指す
日本ゼオン 田中公章社長
上半期ベースで過去最高の売上高を達成した日本ゼオン。田中公章社長に現況をはじめ、中計の進捗状況、23年の抱負など聞いた。
◆22年度上半期を振り返って。
上半期の業績は売上高1974億円となり、上半期ベースで過去最高となった。第2四半期単体では売上高前年同期比79億円増、営業利益16億円の減少となった。エラストマー素材は販売価格の改定を推進した結果、増収増益となった。合成ゴムは主力工場の定期修繕のため、出荷調整を実施するも需要は堅調に推移した。その一方で、高機能材料は光学樹脂が医療その他向けで需要は堅調だったが、光学フィルムは需要が低下した事などにより減収減益となった。
◆中計の進捗状況は。
21年度にスタートした中計の全社戦略の一つである「既存事業を磨き上げる」では、成長領域である高機能樹脂、電池材料の事業強化に向けて国内海外を問わず、積極的に設備投資を実施しており、現在検討中だが、レジリエンス強化として新たな生産拠点の立上げも推進している。先日発表した米国テキサスの水素化ニトリルゴムの能力増強は2025年より稼働予定であり、グループ全体の水素化ニトリルゴムの生産能力は約25%増加する見込みだ。
また、もう一つの戦略である「新規事業を探索する」では、医療・ライフサイエンス、CASE・MaaS、
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