■ 新年インタビュー
グループ経営を推し進める
加藤産商 加藤進一社長
「ゴム材料商社でアジアNO1を目指したい」と語る加藤産商の加藤進一社長(加藤事務所社長兼任)。21年12月末に社長就任してから取り組んだことや業績、海外拠点の現況、新年の抱負などを加藤社長に聞いた。
◆社長就任後1年間で取り組んだことは。
前半は社員が働きやすい環境づくりに取り組んだ。具体的には、まず給与を含めて若手や女性社員の待遇を良くした。また、社内の仕事を効率的に進められるようにIT環境も整備した。その一例として、受発注を担当する女性社員にはノートパソコンを配布し、コロナ禍でも安心して在宅勤務ができる環境にした。
後半はゴム業界人としての私の人脈を駆使して、トップセールスに近い活動を進めた。グループ会社の鶴見化学工業が日本乾溜工業の不溶性硫黄事業を22年12月に買収したのもその成果の一つ。また、株主構成も私を中心とする安定した構成となり、安定した経営基盤になったと思う。
◆前期の業績について。
物不足や原材料価格の高騰という逆風にさらされたが、前期(22年9月期)売上高は単体で375億円で前期比8・7%増、経常利益は7億5000万円で同5・3%増となった。販売品の価格上昇が売上に与えた影響は大きいものの、お客様への安定供給を一番に考えながら、お客様のご理解をえた上で価格改定を実施した。
◆海外拠点の現況は。
中国のゴム練り部門は22年12月末に新工場へ100%移管する予定で、生産能力は従来比で1・5倍に伸びる。将来は中国政府の方針に従い、新技術で特殊なゴム練りも手がけたい。ただ、台湾との紛争の可能性などをみても今後の中国はちょっと心配。中国リスクに備え、