年頭所感 住友ゴム工業 山本悟社長

2022年01月26日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、新型コロナウィルスによる様々な制約が続いたことに加え、国際情勢の動向、それに伴う外部環境と市場環境変化が大きく、大変厳しい1年となりました。そのような中で、中期計画目標である売上収益1兆円を達成できる見込みとなるなど、全社を挙げての取り組みにより成果を出すことができました。しかしながら、ウクライナ情勢による原材料価格のさらなる上昇、海上運賃の高騰、半導体の供給不足による自動車の生産台数減少、中国のロックダウンによる市況の低迷、グローバルでのインフレ進展による市況悪化など、多くの逆風を受け、2022年の事業利益は前年を下回り、当社の歴史の中でも利益率は非常に低い水準に留まる見込みとなりました。

 2020年2月に中期計画を発表して以来、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う制約、米国のアンチ・ダンピング関税、自動車のEV化加速など、事業環境は大きく変化してきました。それら事業環境変化と将来予測を踏まえ、新中期計画の策定を進めてきました。収益力を高めるための企業変革を優先事項とし、全社で実行していくとともに、将来あるべき姿を実現するために必要な備えや種まきも並行して取り組む計画とします。
 これまでBe the Changeプロジェクトを通じて経営基盤強化に取り組み、会社全体に変革を生み出してきました。これらの活動から得られた経験やスキルを今後の更なる変革に活かしていきます。2023年は、将来の飛躍に向けて、より一層の変革を推進する年として、次の3点を社長方針として定めます。

 第一の方針は「将来の飛躍に向けた変革を実行し、収益力を高めよう」です。
 世界中でカーボンニュートラルに向けた取り組みが加速し、自動車業界においてはCASE・MaaSと言われる革新が進んでいます。これらの変化に対応し、持続可能な事業を展開していくには大きな投資も必要になりますので、高い収益力を実現する「変革」に注力します。投資に必要なキャッシュを創出できる事業構造へと変革を成し遂げ、将来の大きな飛躍に向かって進んでいきます。

 第二の方針は「イノベーションを推進し、新たな価値の創出を加速しよう」です。
 当社は、これまでもタイヤ・スポーツ・産業品の各事業において独自の発想で技術開発し、市場ニーズに対応してきました。これからも、当社独自の様々なイノベーションを生み出し、社会やお客様に新しい価値を提供できるよう開発・生産を加速させていきます。独自技術の活用によって自動車のEV化や自動運転化によるニーズに対応するとともに、サステナビリティ長期方針で設定したカーボンニュートラルの目標達成に向けて取り組みを加速します。全社での地道な活動とイノベーションで着実に実現することで、当社事業の経済的価値・社会的価値を高めていきます。

 第三の方針は「多様な力を結集し、変化をのりこえる会社にしよう」です。
 世界中の拠点や部門が同じベクトルに向かって進み、全体最適で意思決定し会社が良い方向に進むよう、共通のマインドセット、統一された判断軸としてOur Philosophyをすべての社員の拠り所とします。加えて、様々な変化や複雑な課題に対処していくために、多様な人材、多様な働き方が尊重され、心理的安全性の高い職場づくりに全力で取り組みます。一人ひとりがイキイキと働き、最大のパフォーマンスを生み出す職場を実現し、グループ社員の多様な力を結集することで、変化をのりこえる会社にしていきます。

 これらの方針に基づき、当社では社会からの期待に応える真に価値ある企業グループを目指して邁進してまいります。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー