モルテンはこのほど、東京都市大学および髙松建設と共同で、建築免震構造用の高減衰積層ゴム支承を実用化したと発表し、2024年4月ごろより髙松建設より販売を開始する予定としている。積層ゴム支承とは免震構造の主要部材で、ゴムと鋼板を交互に積層することで、上下方向には建物を支える機能、水平方向には地震の揺れを吸収する機能がある。 従来の免震構造用の部品は、適応する建築構造物の規模に応じて一品生産される少量多品種の生産プロセスのため、耐震偽装問題が繰り返し発生し社会の信頼を損ねてきた。このたび開発した積層ゴム支承は、建物の規模に応じて形状やサイズを変えるのではなく、個数を調節することで設計する方式を採用。これにより「積層ゴムの製造+品質管理」と「構造設計+施工管理」の2つのプロセスを分離することが可能となり、免震部品の大量生産と品質管理の合理化を達成している。
同技術開発については、長年にわたり耐震偽装問題を根本的に解決する免震建築の生産プロセスの確立を目的として、建築設計事務所、建設会社、メーカ、大学、研究機関などの枠を超えて技術的な検討を行ってきた。同社では理論、実験、実績に基づいたモノづくりで常に幅広い産業分野での可能性を追求し続けていく。
2022年12月28日