■ 新年インタビュー
次の100年への土台を作る
金陽社 服部琢夫社長
「次の100年への土台を作ることが自分の役割」と社長就任の抱負を語るのは22年6月22日の株主総会で金陽社社長に就任した服部琢夫氏。これまでの経歴や22年度にスタートした中期経営計画で掲げる経営方針、新年の抱負などについて服部社長に尋ねた。
◆これまでの経歴を。
縁あって2015年に金陽社に入社。同年12月にドイツに赴任してKinyo Europe GmbHの社長を務めた。その後、21年6月に帰国して、取締役海外営業本部長を1年務めた後、社長に就任した。当社に入社する前は日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)で30年間銀行マンとして勤務した。当社に入社した当時の印象は「昭和の香りの残る暖かい会社」。ただ、それは良い面と悪い面があると思う。当社は22年に92周年を迎えたが、世の中の変動に対して、守るべきは守り、変えるべきは変えないと生き残れないという危機感がある。
◆足元の業績について。
22年度上半期(4~9月期)はブランケットと工業用ロールが好調で、売上は前年同期を上回る。ブランケット業界では海外メーカーで再編の動きがあることと、資材の高騰で他社も苦しいので、特に海外からの受注が好調で、美野里工場はフル生産の状況にあり、シェアを伸ばすチャンスと認識している。当社にとってブランケットは屋台骨の商売。将来的には、業務継続だけでなく、増産に向けた投資も視野に入れている。
工業用ロールはフィルム用が堅調な他、鉄鋼用、製紙用なども順調だ。前社長の時代から蒔いてきた種、代理店様と協力しメーカーとしての技術力を活かした提案型の営業を粘り強く行ってきたことが実を結びつつある。
◆中期経営計画の経営方針について。
中期経営計画では、次の4点のとおり経営方針を変更した。一点目は「お客様に喜んでいただくために、技術を磨き、最高品質、最高性能の製品と最高のサービスを提供する」だ。具体的には、お客様に製品を購入してもらうだけでなく、お客様へのレスポンスのスピードや技術的な提案・サポートを充実させて、当社のファンを増やすことが大切になる。
2つ目の