明けましておめでとうございます。
今年が皆さんや皆さんのご家族にとって実りの多い年になるよう祈念しています。また、年末年始を通して工場操業に従事された皆さんに心より感謝します。
今年は卯年で、その跳躍する姿から飛躍や向上を象徴すると言われています。当社グループが種々の課題に取り組み、さらに成長する年にしたいものです。
昨年はまさしくVUCAの年でした。2月にロシアがウクライナに侵攻したことで、それを批判する欧米諸国のロシアへの経済制裁なども影響し、石炭をはじめとした原燃料価格が急騰しました。中国では厳しい移動制限を伴うゼロコロナ政策により、経済成長が大きく減速しました。また米国は、米中対立が継続する中、インフレと金利の上昇で景気後退のリスクが増大し、これに影響されて大幅に円安が進行しました。さらに日本国内は、新型コロナが第8波を迎え、感染拡大防止と経済循環維持という難しい両立を余儀なくされています。
今年の経済環境を予測するのは困難ですが、現状に大きな改善がなければ、厳しい経済環境となることが予想されます。“想定・準備は悲観的に、行動は楽観的に”の原則で、この難局を乗り越えていきたいと思っています。具体的に当社が対応すべきことは、次の3点です。
1.下期修正予算の達成に向け、地道な努力を
より安価な石炭調達および使用テストの計画が、すでに始まっています。今年度で石炭価格が平静を取り戻し、コモディティの海外市況が反転上昇することを期待しつつ、コスト削減に注力し、地道に安全生産、安定供給、価格適正化、研究開発促進に取り組んでもらいたいと考えています。
2.ステークホルダーの信頼を得るため、安全、コンプライアンス、社会課題解決に注力
全てのステークホルダーの信頼を得るためには
①安全・安定生産、安定供給、コンプライアンスの再徹底、
②持続可能な製品開発により社会、コモン(共同で管理すべき富)に貢献し、
③その結果として収益を上げ、企業価値向上のための成長投資を行うことが「持続可能な企業の条件」
と、以前よりお伝えしています。厳しい環境下であればこそ、信頼される企業であるよう努力しましょう。
3.スペシャリティ事業の成長に向けた設備投資の実行と研究開発の推進
2030年度にスペシャリティ事業の営業利益を1,000億円とする中長期目標を立てました。
この目標を達成するためには既存製品の増強に加え、新規商品の上市、事業化が必須となります。設備増強、新製品の上市、事業化が計画通り進むよう期待しています。
会社が置かれた外部環境について、我々にできることは限られていますが、各部門が何をやるべきか考え実行する選択肢は、我々の手の中にあります。従業員一人一人がポジティブな思いで目の前の使命に取り組み、課題を解決していくことで、当社グループの明るい未来を実現していきましょう。