Covid19 の蔓延が続く一方、ウィズコロナの生活に舵を切りつつ始まった22 年は2月のロシアによるウクライナ侵攻によって混乱の一年となりました。原燃料価格、物流費の高騰は世界中にインフレをもたらし、わが国でも近年にない円安も相俟って多大な影響を受けました。この非人道的な戦争が一日でも早く終結することを願うばかりです。
当協会が注力して参りました活動の内容と23 年の方針については、広報活動では、前年度に実施した PVC Award2021の受賞作品など、特長ある塩ビ関連製品の取材に注力しました。 また出前授業などの青少年教育にも貢献できるよう、引き続き対応いたします。
さらに22 年12 月には、国内最大級の環境展である第 24 回「エコプロ2022」展に出展しました。「生活を豊かにするPVC製品」をコンセプトに、身の回りの多くのPVC製品を認識してもらうことに注力するとともに防災・省エネなどの社会貢献や、医療・福祉分野での活用、さらにはリサイクル性の紹介を軸にサンプル品やパネルを展示しました。
建材関連では、樹脂窓および窓周辺での新たな塩ビ製品の開発や普及に引き続き注力しました。樹脂窓の普及促進に欠かせない要素である防火性能は、各メーカーともその認定試験に膨大なエネルギーを要しており、開発の足かせとなっています。そこで当協会は、東京大学野口教授の協力のもと、防火認定試験の簡素化に取り組むべく、研究会を発足しました。比較的簡便な燃焼試験により樹脂窓の防火性能が推定できるようにすることで、認定に至る工程を簡素化し、各メーカーの開発がより一層促進されることを目指して引き続き取り組んで参ります。また、世界的なカーボンニュートラル(CN)の流れに従い、わが国でも 2050年にCN達成という目標に向けて数々の施策が打ち出されています。住宅周辺での省エネやCNへの貢献も例外ではなく、当協会は、芝浦工業大学秋元教授の協力のもと、優れた断熱性能によって特に冬季の省エネルギー効果が期待される樹脂窓に加え樹脂シャッター、樹脂ブラインド等による夏季の省エネルギー効果を検証しています。
一方、22 年4月にプラスチック資源循環促進法が施行となりプラスチックの使用やリサイクルに関する各種規制が強化されつつあります。塩ビ製品は、長寿命用途が多いもののリサイクルの推進は引き続き重要な課題です。22 年は東京大学清家教授の協力のもと、日本サッシ協会、樹脂サッシ工業会とともに樹脂窓リサイクル検討会において、北海道内での廃樹脂窓の回収・解体に係る検討、再生原料の品質確認や利用についての検討を行いました。まだまだ難しい課題は残されていますが、樹脂窓リサイクルの推進に対して、関係者の皆様からの前向きなご意見を頂けましたことは私どもにとって大きな支えとなりました。この活動が実際に実を結ぶよう、これまで以上に関係者の皆様との協業に邁進してまいります。
ウクライナ情勢などによりエネルギー問題が一層深刻さを増している状況下、塩ビ樹脂の優れた環境性能やマテリアルリサイクル性、さらには塩素循環の観点でも大きな可能性を秘めている点などについて、より多くの方々に知っていただく活動を鋭意進めてまいります。
2023年01月16日